パテントコンテスト 優秀賞
SDGsにも貢献! 校内で発見された酢酸菌と規格外のサツマイモで作る濃厚酢
北海道更別農業高等学校
増地早佳江さん(3年)
◇授業の一環としての参加(参加人数:4人)
◇発明タイトル「濃厚酢の製造方法」
(2025年12月取材)
◆コンテストに出場を決めた経緯を教えてください。
本校では、科目「課題研究」で実施している「プロジェクト学習」で規格外野菜を用いた酢の研究に取り組んでいます。酢の発酵に用いる酢酸菌は、本校の圃場で採取したものを7年前より生徒たちで培養しています。
2024年に、本校の取り組みが、INPIT(工業所有権情報・研修館)の事業として、知財力開発校支援事業に採用されました。その中で、パテントコンテストについて知り、それで入賞すれば、特許取得の支援が受けられることもわかりました。特許が取れれば、酢の培養方法と採取した酢酸菌が知的財産として保護でき、本校の製造技術を用いた取り組みを、もっと発展できると思いました。
そして、パテントコンテストに応募したところ、645作品中上位30作品に入賞しました。優れた技術であると評価され、特許原簿に登録をされました。(特許第7791835号)
◆発明のアイデアを思いついたきっかけを教えてください。
北海道の更別村では、規格外さつまいもと林地残材が環境面、経済面からも大きな損失になっていることを、地域農家の方から教えていただいたことがきっかけでした。また、私たちの先輩が酢やナタデココ、漬け物などの発酵食品の研究を継続していたことも大きかったです。先輩が残してくださった基礎研究があり、その技術を発展させ、濃厚酢の製造技術を確立することができました。

◆製造は、いつ頃から始めて、どのくらい時間をかけましたか。
2024年4月から研究を開始しました。先輩の基礎研究のデータがあったため、さつまいも酢の製造はスムーズに行うことができました。バルサミコ酢風調味料の製造を目指したため、酢の熟成に用いる木の樽の代わりに、林地残材の木片を使用し熟成を行いました。木片の木の種類の選定はかなり時間がかかりました。また完成した、酢の収率が悪かったことから、収率を上げることが難しかったです。


◆選考に通ってから特許庁への特許出願までに、どのようなことをしましたか。
弁理士の先生より、実験データを詳しく記載するよう、アドバイスを頂き、書類を作成しました。本校は酢の製造工程に関する特許出願であったため、製造工程の細部の確認と、実験データの整理が結構大変でした。さつまいもの味を向上させるのに使用した酵素、反応に要した時間、酢の培養に用いた木材等のデータです。J-PlatPat(特許情報プラットフォーム)の使用方法など丁寧に教えていただきました。
また、つじのか国際商標事務所の杉田基子先生を通じて、知的財産に関する学習を深めてきました。


◆特許権を取得したら、今後どのように発展させたいですか。
高校生が開発した技術であっても知的財産は保護されることを、PRできればと思います。またその技術が、規格外さつまいもと林地残材という、環境面でも経済面でも問題になっている更別村の課題の解決にもなればと思います。さらに、更別村から新しい環境にやさしいビジネスを生み出すことにつながり、更別村を発展させるきっかけにもなればと考えています。
◆今回の経験がきっかけとなり、将来進みたい分野や夢が見つかりましたか。
弁理士という仕事に憧れを持ちました。私たちが開発した技術が特許出願を通して守られたように、今後高校生が開発した技術を守ってあげられるような仕事に就きたいと思うようになりました。
◆今回の体験を通して、感じたことを教えてください。
パテントコンテスト入賞を通して、私たちがプロジェクト学習で取組んでいる内容の水準が高いことがわかりました。その研究をやり遂げたことが、大きな自信となりました。
★パテントコンテストに出された、北海道更別農業高等学校のプロジェクト活動は、2025年の大阪万博で7月31日に開かれた「高校生MIRAI万博」でも選ばれ発表を行いました。
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