特集・様々な分野で活躍する人たちから 「本との出会い」のススメ

渡邊十絲子さん 詩人・書評家
教卓からこちらを向いて授業をするような本ではなく、著者が自分の興味関心へとつき進んでいる後ろ姿を見せる本を読んでほしい。そういうものこそが、高校生の心に響く書物だ。これまでに「みらいぶっく」で紹介された本も含めて、そんな本をここに集めてみた。

近代とは? その成因を捉え直し、近代の苦悩の舞台、アフリカの今を知ろう
福田邦夫先生 元明治大学商学部教授 専門:国際貿易論
今の時代は、ポスト近代、第4次産業革命にあるなどと言われもします。しかし、世界の基本的なシステムは、やはり近代で、資本主義です。それにより様々な課題を抱えています。
本当にピューリタンの精神が優れていたからなのでしょうか。しかし産業革命が成立するためには膨大な資金(資本)が必要とされます。では産業革命に必要とするとされる資金(起爆剤)はどのようにして調達されたのでしょうか。

あなたは音楽に命を懸けられますか ~芸術の深い理解へのいざない
ピアニスト 管谷怜子さん
10代といえば最も音楽に感化されやすい時期ですね。吹奏楽や合唱を通して、または個人的な活動を通して、音楽をする楽しみや喜びに目覚めて芸術の分野に進もうかなぁと思っている皆さんに、西洋音楽を中心に少しだけ美術を加えて芸術への理解を深めるための本をご紹介します。

能登の未来を考えることは、すべての地方の未来を考えること。その参考やヒントになる本を、最前線の防災工学者が贈る
信岡尚道先生 金沢大学 能登里山里海未来創造センター
2024年1月には、再び大きな災害、能登半島地震が起き、同年9月には大きな水害にも見舞われました。防災・復興・過疎化対策・学びの改革・心と福祉の問題など様々な課題が突きつけられています。
それらの課題に対して、様々な学問から挑もうとしています。また、防災、地域活性、コミュニティの再生などの課題に対しては、高校生のみなさんにも実践的な学び、探究的な学びを通じて挑むことができるはずです。
その一助になればと考え、私が作成してきた高校生にも使ってほしい本のリストを紹介します。探究活動だけではなく、進路選択の参考にもしていただけたらうれしいです。