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防災・復興と地域活性化を研究・探究してみよう!

能登の未来を考えることは、すべての地方の未来を考えること。その参考やヒントになる本を、最前線の防災工学者が贈る 〈2〉

信岡尚道先生 金沢大学 能登里山里海未来創造センター

3(B-1).能登半島における被害の特長(全般)

 

【参考サイト】

令和6年能登半島地震における災害の特徴

内閣府 (令和6年能登半島地震を踏まえた災害対応検討ワーキンググループ(第1回)資料)

 

 

能登半島記(未完) 被災記者が記録した300日の肉声と景色 

前口憲幸(時事通信社)

 

新聞記者が能登の被災地を日々歩き回り、被害状況を見て歩き、被災者にインタビューをして、生の状況を、カラー写真もふんだんに使い、伝えている本です。被災地の全体像ではなく、一つ一つのリアルを積みかさています。臨場感ある被災地の状況から能登半島の地震と豪雨の被害の状況を確認してみましょう。

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【参考サイト】

ラジオでのインタビュー(YouTube)

『能登半島記(未完):被災記者が記録した300日の肉声と景色』

【ゲスト:前口憲幸】2024年12月24日(火)大竹まこと 小島慶子 

 


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4(B-2).能登半島における被害と災害対応(建築物、社会インフラ)

 

能登半島地震では多くの建物が倒壊しました。それは最新の耐震基準を満たしていない建物が多かったからです。また、奥能登に繋がる主要道路は3つで、その全てが被災して災害直後に救急救命、食料輸送することも困難な状況でした。これらは被害を拡大した要因と考えられます。災害に強い建物、社会インフラを造っておくことは重要と改めて警告する結果となりました。

 

 

検証 能登半島地震 首都直下・南海トラフ 巨大地震が今起こったら 

日経クロステック、日経アーキテクチュア、日経コンストラクション:編

 

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5(B-3).能登半島や近年の災害における被害と災害対応(被災者支援)

阪神・淡路大震災から私たちは何を学んだか 被災者支援の30年と未来の防災

阪本真由美(慶應義塾大学出版会)

 

組織としての災害対応からみた被災者支援の未来への課題に関して、災害ボランティア元年といわれる阪神・淡路大震災から、インド洋スマトラ沖地震・津波、東日本大震災、トルコ地震、そして能登半島地震と30年間の実態調査に基づきまとめたものです。

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6(B-4).能登半島や近年に災害における被害と災害対応(災害弱者・医療、心のケア)

 

災害時に一般の人と同じようには避難できない災害弱者がいます。しかし、災害弱者への支援はまだ十分とは言えませんでした。例えば、自宅や一般の避難所での避難生活に適さない高齢者や障害者、妊産婦など、特別な配慮が必要な方へ福祉避難所という制度はありますが、実際には設置はなかなか進んでいません。

 

【参考サイト】

能登半島地震で福祉避難所の設置が進まない…避難諦め壊れた家に

読売新聞 防災ニッポン

 

 

キーワードで学ぶ防災福祉入門

川上富雄、中井俊雄、磯打千雅子:編著(学文社)

 

災害や防災に関する基本知識から、平時における地域の防災活動、災害が起こった際の被災地支援活動についてまとめられています。その中に、災害弱者を助ける地域の福祉の視点での記述も、能登半島地震ほか近年の災害について記されています。全て、キーワードとその説明が1~2ページの形式で書かれています。

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防災と福祉ガイドブック  誰一人取り残さない福祉防災の視点

地域安全学会:編集(朝倉書店)

 

この本は、はじめに、防災とは何か、福祉とは何かを整理した上で、防災と福祉を結び付けて説明している点が特徴です。とくに表紙に書かれている「誰一人取り残さない福祉防災の視点」はSDG‘Sにつながるものです。

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東日本大震災 石巻災害医療の全記録 「最大被災地」を医療崩壊から救った医師の7ヵ月

石井正(ブルーバックス)

 

石巻赤十字病院に勤務していて、東日本大震災の1か月前に災害医療コーディネーターとなった著者が災害医療に携わった、7か月の記録がつづられている。医療崩壊寸前の極限状態をいかに乗り越えたが読み取れる本です。

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石巻赤十字病院の100日間 【増補版】

石巻赤十字病院、由井りょう子(小学館文庫)

 

被災地の医療を必要としている被災者が、被災現場や避難所でどのような状況であったのかを臨場感あふれ描かれています。たとえば、石巻赤十字病院の看護専門学校の教員や学生の避難所での活動など触れられています。

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ナース発 東日本大震災レポート ルポ・そのとき看護は

日本看護協会出版会編集部:編集(日本看護協会出版会)

 

183人もの看護職・看護学生の「看護の使命を全うしたい」という想いが詰まった貴重な体験談。本全体はボリュームがありますが、1人4ページで書いてあるので関心がある話題が読みやすいです。ナース以外の人が読んでも、被災者が必要としている看護が何かがわかる本です。

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巨大地震 その時あなたを救うのは? 市民トリアージ

安田清(静岡新聞社)

 

災害時に応急処置を含めた医療の対応力を超えた負傷者の数となった場合に、一人でも多くの命を救うために、効果的な治療の順番などを決めていくことを医療のトリアージと言う。大規模災害になると病院などだけでなく市民のレベルでもトリアージが命を救うことができ、その訓練の方法までが書かれた本。

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震災と向き合う子どもたち 心のケアと地域づくりの記録 

徳水博志(新日本出版社)

 

東日本大震災の大津波でまちが壊滅的な被害を受け、全国のスクールカウンセラーが支援に入るも手がつけれない状態が続いた中、石巻市雄勝町の小学校教諭(当時)が手探りで児童たちのこころをのケアから、地域に愛着をもどすまでの心の復興までを実践した記録です。

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7(B-5).能登半島における被害と災害対応(政治)

地震直後の石川県知事の記者会見、ここで「いましばらく 個人的なみなさんはボランティアを控えていただきたい、と思います(以下の動画参照)」の発言がありましたが、これは一部が切り離されて、誤った解釈でネット上に広がりました、「能登には来るなと」。でも、発言をよく聞けば、個人ボランティアの方の危険が除かれるまでとの意図であったことはわかります。政治家の決断と説明は、災害時には世の中に大きく影響します。

 

【参考サイト】

20240110 【能登半島地震】馳浩知事が記者会見(被害状況、支援体制、仮設住宅、被災地入り)

(YouTube)

 

 

シン・防災論 「政治の人災」を繰り返さないための完全マニュアル

鈴木哲夫(講談社)

 

災害対応としての政府の役割について、能登半島地震対応について分析しています。また、阪神淡路大震災や東日本大震災などの過去の災害についても分析しています。

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