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著者が語る! 『13歳から挑むフロンティア思考』とは? ~イグ・ノーベル賞の先生が伝授!AI時代の「最強クエスト」攻略法~

宮下芳明 先生

ヒューマン・コンピュータ・インタラクション(HCI)、味覚メディア研究者

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科

 

K-SHIPフェス みらい探究の日 興味・関心が“みらい”をつくる

 

宮下先生が特別講演される予定です。

3月29日(日) 9:30〜17:00  メタバースで実施 参加無料・要申込み

 

「イグ・ノーベル賞受賞者が語る!中高生のためのフロンティア思考」(10:00~11:30)

詳しくはこちら


 

皆様、こんにちは。明治大学で教授をしている宮下芳明と申します。バーチャルリアリティやAI、ユーザインタフェースに関する研究に加えて、「味覚メディア」に関する研究も行っています。たとえば、テレビ画面を舐めるとそこに映っている食べ物の味がする装置を作ったり、電気を流すことで減塩食でもしょっぱく感じる食器を開発したりしています。

 

宮下芳明先生(イグノーベル賞受賞式典にて)
宮下芳明先生(イグノーベル賞受賞式典にて)

藤森慎吾さんが衝撃の味体験!イグ・ノーベル賞を受賞した宮下芳明教授の研究室とは?|明治大学


 

2023年には、これらの研究が「人々を笑わせ、そして考えさせる」研究に贈られる「イグ・ノーベル賞」を受賞しました。そんな私が、今回、皆さんに向けて『13歳から挑むフロンティア思考』という本を書きました。この「フロンティア思考」とは一体何なのかを紹介しようと思います。

 

テストの「正解」はもういらない? 日常のイライラを「クエスト」に変換する魔法

 

「フロンティア」と聞くと、誰も踏み入れたことのない未開の地や、宇宙の果てのような場所を想像するかもしれませんが、私が提案する「フロンティア思考」は、日常の中に潜むちょっとした「問題」に対してワクワクしながら挑む態度のことです。顔を洗うのと歯を磨くの、どっちが先がいいのかとか、スーパーから自宅まで卵を割らずに運ぶのが大変だなぁとか、そういった「問題」を冒険ゲームで攻略するクエストにとらえてみるだけで、世界は全く違って見えてくるのです。

 

学校のテストにおける「問題」には必ず「正解」があります。皆さんはこれまで、いかに早く、正確にその正解にたどり着くかを訓練されてきたと思います。それは大切な基礎体力ではありますが、世界は「正解のない問題」で溢れています。「どの部活に入れば楽しいか」「喧嘩した友達とどう仲直りするか」「将来どんな仕事をすべきか」。学校のテストではまた、「次の問いに答えよ」と、問題の方からやってきます。

 

しかし、フロンティア思考では、問題は自分で「発見」するものです。日常の些細な違和感をスルーせず、それを「クエスト」に変えてしまうのです。

 

『13歳から挑むフロンティア思考』

宮下芳明(日経BP)

[出版社のサイトへ]

 

 


AIは「答え」を聞く相手じゃない! 恥をかかない最強の「壁打ち相手」として使い倒す

 

この本のタイトルには「13歳から」とつけました。これには二つの意味があります。

 

一つは、皆さんが抽象的な思考ができるようになり、この世界を大人と同じように見て考えられるようになる時期だからです。そしてもう一つは、生成AI「ChatGPT」などのアカウントを作れるようになる年齢なので、AIと共に悩み、まだ世の中にない「新しい問い」を見つけることができるようになるからです。

 

もちろん、14歳でも17歳でも、大人であっても、この思考を持つに遅すぎることはありません。

 

ChatGPTなどの生成AIは、あなたの思考を広げ、「壁打ち相手」になってくれる最強のパートナーです。私が提案しているのは、AIに答えを教えてもらう使い方ではなく、AIと一緒に考える使い方です。「こんなアイデアを思いついたんだけど、どう思う?」「もっと面白くするにはどうしたらいい?」と問いかけることで、自分一人では到達できなかった高みに登ることができます。人に聞いたら笑われてしまうんじゃないかと思えることこそ、どんどんAIに聞いてみましょう。AIは人じゃないので、恥をかくことはありません。このようにAIを使えば、人間の思考力をもっと高められます。

 

失敗は「おいしいネタ」!実況中継で楽しもう 高校までの勉強は、未来を切り拓く「最強の装備」になる

 

人と違うことを考え、人と違う行動をすると、新しい発見が生まれやすいです。学校では「みんなと同じ」が求められることが多いかもしれません。空気を読み、目立たないように振る舞うことが正解とされる場面もあるでしょう。でも、フロンティアに挑むには、人と違う視点が必要です。「なんでみんな、これを不思議に思わないの?」「私はこう思うんだけどな」という、あなただけの違和感を大切にしてください。その「変」な部分こそが、将来あなたの最大の武器になります。

 

未知の問題に挑むとき、最初からうまくいくことなんてまずありません。でも、フロンティア思考を持つ人は、失敗しても落ち込みません。YouTubeの「ゲーム実況」を見てみると、ゲームオーバーになったり、予期せぬ展開が起きたりしたとき「うわー、まじか!」「そう来るか!」と叫びながら、むしろその状況を楽しんでいますよね?日常生活でも、うまくいかないとき、自分の脳内で実況中継をしてみてください。

 

「おっと、予想外の展開になってまいりました!」と。

 

失敗を「恥ずかしいこと」ではなく「おいしいネタ」「貴重な経験値」と捉え直すことで、挑戦や失敗への恐怖心は驚くほど小さくなります。

 

ゲームで例えるなら、みなさんが学校で習っている国語や数学、理科、社会といった知識は、冒険に出るための「装備」や「魔法」です。何に役立つかぴんとこなくてもいつか未知の強敵(難問)に出会ったとき、頭に入っていたその知識が、解決の糸口や解決手段になることがあるのです。そのような問題解決に有用な知識を教えるのが高校までの学びで、大学からは未知の問題を発見したり解決したりする方法を学ぶのです。

 

そうした大学で学ぶ問題発見・問題解決法の基礎を、特別な知識ゼロ・偉人の話ゼロ・著者の経験談もゼロでわかりやすくまとめたのが本書になります。この世界は、皆さんが思っている以上に広くて、謎に満ちていて、面白い場所です。一緒に冒険に出かけましょう!

 

宮下先生がセレクト!

 「フロンティア思考」を深めるための読書案内

 

『俯瞰する知—原島博講義録シリーズ 巻1

「情報の時代を見わたす」』

原島博(工作舎) 

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【情報技術の正体を知る】 情報技術がどのように生まれ、どのように社会や文明、あるいは人やコミュニケーションを変えているのかをわかりやすく俯瞰できる本です。

 

 

『俯瞰する知—原島博講義録シリーズ 巻2

「宇宙138億年から学ぶ」』

原島博(工作舎) 

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【宇宙138億年の物語】 宇宙誕生から人類の歴史までを138億年スケールでつなぎ合わせたとてつもない本です。ネタバレかもしれませんが、現在だけでなく、人類や宇宙の終わりまでつながっています。こんなに衝撃を受けた本は他にありません。

 

 


『コンテンツは民主化をめざす』

宮下芳明(明治大学出版会)

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【表現の未来をのぞく】 私の過去の著書ですが、メディア技術がいかにして「表現」の世界を革新し、誰もがクリエイターになれる現代を切り拓いてきたか、そしてその先にどのような希望と可能性があるかを紹介しています。

 

 

『ニューワイド学研の図鑑 

24巻 発明・発見』

(学研)

[出版社のサイトへ]

 

【アイデアが詰まった宝箱】 電気・通信、化学、食品まで、さまざまな分野におけるイノベーションを「眺める」ことが可能な図鑑です。宮下研究室では定期的に皆で眺めてアイデアを得ています。

 


まずは『13歳から挑むフロンティア思考』を読んで、続いてこの4冊をのぞいてみてください。特に図鑑はとっつきやすいので、パラパラめくるだけでもワクワクする冒険は始まります!気になる一冊から、手に取ってみてください。

 

宮下芳明(みやした・ほうめい)先生 プロフィール

 

明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 教授・学科長

 

金沢大学附属高等学校・千葉大学工学部卒業、富山大学大学院教育学研究科(修士)・北陸先端科学技術大学院大学(博士)修了。大学では画像工学、大学院修士課程では「文転」して音楽教育(作曲)、博士課程では「理転」してヒューマン・コンピュータ・インタラクションの分野で博士号(知識科学)をとりました。コンピュータやAIを使って人の創造力や表現力をどう高められるかを幅広く研究しています。大学で教員になってからは、学生たちひとりひとりを輝かせることも研究テーマだと考えています。

 


 

明治大学 宮下研究室

 

宮下研究室では、音楽・映像・3DCGアニメーション、3Dプリンタ、ゲームやVR、プログラミングも味覚も全て「表現」であると捉え、人間の表現能力を拡張する「インストゥルメント」として、コンピュータのあり方を考えています。

 

宮下研究室
宮下研究室

 

\宮下先生と一緒に「フロンティア」へ!/

宮下先生が研究している「コンピュータで人の可能性を広げる世界」に、君も飛び込んでみませんか? 興味がある「クエスト」を選んで、その先の学問をのぞいてみよう!

 

〇「テレビを舐めると味がする!?」そんな未来を作りたいなら

 👉 ヒューマンインタフェース・インタラクション

 

〇ゲームやVRで世界をもっとワクワクさせたいなら

 👉 エンタテインメント・ゲーム情報学

 

〇AIに「人の気持ち」を教える研究に興味があるなら

 👉 感性情報学

 

〇次世代のYouTubeやSNSの仕組みを作ってみたいなら

 👉 マルチメディア・データベース

 

〇AIの「頭脳」はどう作られる?知能の正体を解き明かしたいなら

 👉 知能情報学

  

「ヘンなこと」をマジメに研究して世界を驚かそう!

——みらいぶっくに登場する「イグ・ノーベル賞」受賞の先生たち

宮下先生と同じように、「人々を笑わせ、そして考えさせる」独創的な研究をしている先生を紹介します。君の好奇心を刺激する「クエスト」がここにも!

 

〇【生物×数学】粘菌が「鉄道網」を作る!? 単細胞生物の動きをコンピュータで解明する、生命の不思議

 👉 中垣俊之 先生(北海道大学)

 

〇【IT×遊び】火星の顔検出から3Dプリンタでテトリスまで! 「想定外」のエンタメを発掘する、IT研究のフロンティア

 👉 栗原一貴 先生(津田塾大学)

 

◆イグ・ノーベル賞受賞ではないが、その精神をリスペクト◆

〇【国際金融×独創】米ドル?日本円? 貿易で使う通貨はどう選ぶ? 素直に、そして興味こそ大事。偶然の出会いから見つけた独自の視点

 👉 吉見太洋 先生(中央大学)

 

サイト活用術:自分だけの「クエスト」を探しに行こう!

この『みらいぶっく』は、君が「自分だけの問い」を見つけるための道具箱です。フロンティア思考を手に入れた今、もう一度サイトを使い倒してみませんか?

〇[動画でわかる!]

まずは『みらいぶっく』の歩き方をチェック

 

〇[分野から探す]  

265の学問分野から、ピンとくるものを見つける

 

〇[話題から探す]

気になるニュースやキーワードから、学問へ繋げる

 

〇[本から探す]

運命の一冊から、未知の「問い」に出会う

 

〇[仕事から探す]

憧れの仕事から、必要な「装備(学問)」を知る

 

 

「本との出会い」のススメ

~様々な分野で活躍する人たちから

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