第87回情報処理学会全国大会 第7回中高生情報学研究コンテスト
リアルタイムで会話を分析して、ディスカッションの質を高める
群馬県立高崎高校
チーム名:チームマヴィカライ
清田侑希くん、宇野成亮くん、新谷真雄くん、清水孝一くん(2年生)
(2025年3月取材)
DiscusScore ~議論力を高めるためのフィードバックプラットフォーム~
近年、会話能力が重視され、学校や就職活動でディスカッションが多く行われているが、一部の人が発言を独占したり、逆に議論に参加しない問題がある。また、否定的な発言が多いことで議論が広がらないことも課題である。
これらの原因は、本人が問題を自覚していない点にあると考え、議論の可視化で改善を図る。
具体的には、会話をテキスト化し、発言回数や発言時間、誰に向けた発言かをネットワーク図でポジティブ・ネガティブ比率で色分けをするとともにして表示し、リアルタイムで傾向を把握できるようにする。
さらに、会話内容、非認知能力などをもとに独自の評価モデルを作成し、会話内の数値データをもとにして、AIが発言を客観的に評価し、各自の能力や課題点を明確にすることで、議論の活性化と個人の成長を促進する。企業や教育現場でも活用し、創造的な集団作りや、採用時のグループディスカッションでの人材評価に役立てることを目指す。
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◆今回発表した研究を始めた理由や経緯を教えてください。
学校の探究活動での話し合いで、否定的な発言によって議論が活性化しないという問題あることに気づきました。それを本人たちで自覚して改善し、より建設的な議論をできるようなアプリを作ろうと考えました。
◆今回の研究にかかった時間はどのくらいですか。
メインの機能の実装には1か月ほどで、その後さらなる改善を少しずつ行いました。
◆今回の研究ではどんなことに苦労しましたか。
最新の論文を、アプリの機能に落とし込むにはどうすればよいのかということに苦労しました。
◆「ココは工夫した!」「ココを見てほしい」という点を教えてください。
実際の会話データから内容のネガティブ・ポジティブを判定し、最新の論文をもとにして「会話ネットワーク図」を作成しました。それとともに、議論の評価においてChat GPT のJson Modeを用いたことで、従来のChat GPT には難しかった定量的な判断をできるようにしたことです。
◆今後「こんなものを作ってみたい!」「こんな研究をしてみたい」と思うことがあれば教えてください。
アプリの研究の実験の中で得た会話データをもとに、議論のファシリテーターを務めるAIの開発を行いたいと思っています。
※チームマヴィカライの発表は、中高生研究賞奨励賞を受賞しました。
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